患者の死を体験した看護師の成長に関連する要因の検討

要旨 目的:悲しみや自責の念等の否定的な感情を伴う強く印象に残る患者の死を体験した看護師の成長に関連する要因を明らかにすることである. 方法:臨床経験年数3年目~6年目の看護師192名を対象に,《有益性発見尺度》及び《対処行動尺度》を用い,看護師の成長と関連する要因について質問紙調査を実施した.分析には,重回帰分析を用いた. 結果:大多数の看護師が,否定的な感情を伴う強く印象に残る患者の死を体験していた.患者の死を体験した看護師の成長(有益性発見尺度)と有意に関連がみられたのは,対処行動尺度の下位尺度である「宗教的行動と実存的意味」,「死別の受容と克服」,「考え込み行動」,「援助希求」及び「理...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 31; no. 4; pp. 3 - 13
Main Authors 西田 三十一, 志自岐 康子, 習田 明裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.12.2011
公益社団法人 日本看護科学学会
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Summary:要旨 目的:悲しみや自責の念等の否定的な感情を伴う強く印象に残る患者の死を体験した看護師の成長に関連する要因を明らかにすることである. 方法:臨床経験年数3年目~6年目の看護師192名を対象に,《有益性発見尺度》及び《対処行動尺度》を用い,看護師の成長と関連する要因について質問紙調査を実施した.分析には,重回帰分析を用いた. 結果:大多数の看護師が,否定的な感情を伴う強く印象に残る患者の死を体験していた.患者の死を体験した看護師の成長(有益性発見尺度)と有意に関連がみられたのは,対処行動尺度の下位尺度である「宗教的行動と実存的意味」,「死別の受容と克服」,「考え込み行動」,「援助希求」及び「理想の看取りの確立」であり,分散の51.0%が説明された. 結論:患者の死を体験した看護師が成長するためには,様々な対処行動をとることが有効であると示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.31.4_3