デルファイ調査による看護教育者と看護実践者が合意する看護基礎教育卒業時の看護技術の到達目標と到達度に関する検討

要旨 目的:教育と臨床の専門家が合意する看護基礎教育卒業時の看護技術の到達目標と到達度を明らかにする. 方法:デルファイ法により,看護の教育者91名および看護実践者98名の専門家の協力を得て158項目の看護技術の到達目標に関する質問紙調査を3回実施した. 結果:到達目標は143項目に絞られ,うち138項目は教育者・看護実践者合わせて80%以上の同意率,残り5項目も74~79%であり,ほぼ合意が得られた.それらは,到達度Ⅰ(ひとりで実施できる)が33項目,到達度Ⅱ(指導のもとで実施できる)が53項目であり,日常生活行動援助の看護技術が多く含まれた.また到達度Ⅲ(学内演習で実施できる)が20項目,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護科学会誌 Vol. 31; no. 3; pp. 21 - 31
Main Authors 水戸 優子, 小山 眞理子, 片平 伸子, 山口 由子, 川守田 千秋, 植村 由美子, 野崎 真奈美, 鶴田 惠子, 手島 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.09.2011
公益社団法人 日本看護科学学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:要旨 目的:教育と臨床の専門家が合意する看護基礎教育卒業時の看護技術の到達目標と到達度を明らかにする. 方法:デルファイ法により,看護の教育者91名および看護実践者98名の専門家の協力を得て158項目の看護技術の到達目標に関する質問紙調査を3回実施した. 結果:到達目標は143項目に絞られ,うち138項目は教育者・看護実践者合わせて80%以上の同意率,残り5項目も74~79%であり,ほぼ合意が得られた.それらは,到達度Ⅰ(ひとりで実施できる)が33項目,到達度Ⅱ(指導のもとで実施できる)が53項目であり,日常生活行動援助の看護技術が多く含まれた.また到達度Ⅲ(学内演習で実施できる)が20項目,到達度Ⅳ(知識としてわかる)が37項目であり診療に伴う看護技術が多く含まれた. 結論:明らかになった到達目標と到達度は,看護基礎教育と継続教育のギャップを埋め,看護技術教育の充実をはかる上で有用な基礎資料になると考える.
Bibliography:研究報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.31.3_21