炎症性腸疾患患者のQuality of Life尺度の開発

要旨 目的:炎症性腸疾患患者のQOLを評価する尺度を開発することを目的とした. 方法:これまでに行ってきたQOL関連要因探索研究の結果に基づき,2病院の外来患者を対象に質問紙法による調査を実施した.クロンバックのα係数および再テストによる尺度の信頼性と,因子分析による構成概念妥当性および外的基準との相関係数による基準関連妥当性を検証した. 結果:質問紙を460部配布し,分析対象は319名(クローン病222名,潰瘍性大腸炎97名)であった(有効回答率69.3%).項目分析と探索的因子分析により19項目5因子を抽出した.19項目に欠損がない対象300名のクロンバックのα係数は尺度19項目全体が ....

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 39; no. 1; pp. 127 - 136
Main Authors 富田 真佐子, 片岡 優実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2019
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.39.127

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Summary:要旨 目的:炎症性腸疾患患者のQOLを評価する尺度を開発することを目的とした. 方法:これまでに行ってきたQOL関連要因探索研究の結果に基づき,2病院の外来患者を対象に質問紙法による調査を実施した.クロンバックのα係数および再テストによる尺度の信頼性と,因子分析による構成概念妥当性および外的基準との相関係数による基準関連妥当性を検証した. 結果:質問紙を460部配布し,分析対象は319名(クローン病222名,潰瘍性大腸炎97名)であった(有効回答率69.3%).項目分析と探索的因子分析により19項目5因子を抽出した.19項目に欠損がない対象300名のクロンバックのα係数は尺度19項目全体が .914,因子別では .710〜 .927の範囲であった.再テスト法の級内相関係数は .820,外的基準との相関係数は,SF-8のPCSが .388,MCSが .711,生活満足度10点評価が .731であった. 結論:信頼性,妥当性は概ね良好であったが,構成概念妥当性については課題が残った.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.39.127