多剤耐性結核入院患者の病気の受けとめと入院生活で感じていること

要旨 目的:多剤耐性結核の治療のため隔離入院中の患者が病気をどのように受けとめ,どのようなことを感じながら入院生活を送っているかを明らかにする. 方法:入院中の多剤耐性結核患者5名に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析した. 結果:病気について,全員が『治りにくい病気に罹った』と捉えた上で,『治るだろう』と受けとめている者,『治らないだろう』と考える者の両者が存在した.ほとんどの協力者が『先が見えない』と感じており,長期入院と隔離に大きなストレスを感じていた.入院生活について,全員が『楽しいことはほとんどない』と感じていた.『人に会えないのが寂しい』と閉塞感を訴え,『外とのやり取りで気が紛れ...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 30; no. 2; pp. 3 - 12
Main Authors 島村 珠枝, 田口 敦子, 小林 小百合, 永田 智子, 櫛原 良枝, 永田 容子, 小林 典子, 村嶋 幸代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 21.06.2010
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.30.2_3

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Summary:要旨 目的:多剤耐性結核の治療のため隔離入院中の患者が病気をどのように受けとめ,どのようなことを感じながら入院生活を送っているかを明らかにする. 方法:入院中の多剤耐性結核患者5名に半構造化面接を実施し,質的記述的に分析した. 結果:病気について,全員が『治りにくい病気に罹った』と捉えた上で,『治るだろう』と受けとめている者,『治らないだろう』と考える者の両者が存在した.ほとんどの協力者が『先が見えない』と感じており,長期入院と隔離に大きなストレスを感じていた.入院生活について,全員が『楽しいことはほとんどない』と感じていた.『人に会えないのが寂しい』と閉塞感を訴え,『外とのやり取りで気が紛れる』と入院生活の辛さを紛らわせていた.『看護師との日常的な会話が楽しみ』と話す者もいた. 結論:看護師は日常的に患者と関わる中で患者と外との接点になり得るため,日常的なコミュニケーション場面での配慮が求められている.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.30.2_3