慢性閉塞性肺疾患患者の機能障害と活動能力の関係

要旨 本研究の目的は,COPD患者の機能障害と活動能力の関連性を明らかにするとともに,機能障害によって活動能力のどの領域が最も影響を受けるのかを明らかにすることであった.対象はCOPD診断基準を満たす86名であった.MIMICモデルを用いて分析した結果,「機能障害」の「身のまわりの動作」,「家庭内生活関連動作」,「屋外生活関連動作」,「社会的役割活動」への寄与率は52.5%,74.0%,72.4%,45.6%で,「機能障害」は「家庭内生活関連動作」,「屋外生活関連動作」に強く影響を及ぼす結果であった.一方,「機能障害」の59.0%は閉塞性換気障害の程度,息切れの程度,栄養状態で説明できるものの...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 24; no. 1; pp. 13 - 20
Main Authors 森本 美智子, 高井 研一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 30.04.2004
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.24.1_13

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Summary:要旨 本研究の目的は,COPD患者の機能障害と活動能力の関連性を明らかにするとともに,機能障害によって活動能力のどの領域が最も影響を受けるのかを明らかにすることであった.対象はCOPD診断基準を満たす86名であった.MIMICモデルを用いて分析した結果,「機能障害」の「身のまわりの動作」,「家庭内生活関連動作」,「屋外生活関連動作」,「社会的役割活動」への寄与率は52.5%,74.0%,72.4%,45.6%で,「機能障害」は「家庭内生活関連動作」,「屋外生活関連動作」に強く影響を及ぼす結果であった.一方,「機能障害」の59.0%は閉塞性換気障害の程度,息切れの程度,栄養状態で説明できるものの,41.0%はその他の要因が機能障害に関連しているという結果であった.このことから,現時点では「家庭内生活関連動作」,「屋外生活関連動作」を行えているかどうかをまず把握し,COPD患者のQOLの維持あるいは向上に向けて介入していくことが妥当であると考えられた.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.24.1_13