脳卒中後にアパシーを呈し,経時的に抑うつを伴った事例に対する,ポジティブな視覚フィードバックを用いた介入の試み

要旨:身体機能障害に加え,アパシーによる意欲低下や抑うつ症状が出現した脳卒中患者を経験した.事例は介入初期より意欲低下を認め,具体的な目標設定が困難であった.また,経時的に抑うつ感・不安感が出現し,精神機能の評価結果が悪化した.これらの症状に対し,複数のポジティブな視覚フィードバックを用いて,身体機能に対する介入の効果が分かりやすくなるように提示した.結果,アパシーや抑うつの改善とともに言動変化を認め,具体的な目標共有が可能となった.本事例報告において,脳卒中後にアパシーや抑うつを呈した事例に対し,ポジティブな視覚フィードバックを用いた介入は,精神機能の改善や行動変容を促進する可能性が示された...

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Published in作業療法 Vol. 42; no. 4; pp. 539 - 546
Main Authors 山田 順也, 竹林 崇, 福山 千愛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.08.2023
一般社団法人 日本作業療法士協会
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Summary:要旨:身体機能障害に加え,アパシーによる意欲低下や抑うつ症状が出現した脳卒中患者を経験した.事例は介入初期より意欲低下を認め,具体的な目標設定が困難であった.また,経時的に抑うつ感・不安感が出現し,精神機能の評価結果が悪化した.これらの症状に対し,複数のポジティブな視覚フィードバックを用いて,身体機能に対する介入の効果が分かりやすくなるように提示した.結果,アパシーや抑うつの改善とともに言動変化を認め,具体的な目標共有が可能となった.本事例報告において,脳卒中後にアパシーや抑うつを呈した事例に対し,ポジティブな視覚フィードバックを用いた介入は,精神機能の改善や行動変容を促進する可能性が示された.
Bibliography:実践報告
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.42.4_539