「単一脳領域における賦活」および「脳内ネットワーク」の2つの視点による運動学習の脳機能変化と運動学習の遅速による脳機能変化差異の解明

要旨:単一脳領域と脳内ネットワークの2つの視点から,運動学習過程における脳機能変化と運動学習の遅速の違いによる脳機能変化の差異を解明し,運動学習を作業療法に応用するための基礎資料を得ることを目的に,賦活量と媒介中心性を運動学習前後で比較検討した.その結果,運動学習後に右背外側前頭前野,左前頭眼窩,左右前頭極の賦活量は減少し,左背外側前頭前野の媒介中心性は上昇した.また,運動学習の遅速による脳機能変化の差異では,右背外側前頭前野の媒介中心性の変化に違いを認めた.これらの領域をモニタリングすることは,作業療法の実践歴に加え脳機能の観点からも,対象者に合わせた作業療法介入を検討する上での基礎資料にな...

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Published in作業療法 Vol. 42; no. 3; pp. 270 - 278
Main Authors 備前 宏紀, 木村 大介, 村松 歩, 山本 祐輔, 原地 絢斗, 水野(松本) 由子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.06.2023
一般社団法人 日本作業療法士協会
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Summary:要旨:単一脳領域と脳内ネットワークの2つの視点から,運動学習過程における脳機能変化と運動学習の遅速の違いによる脳機能変化の差異を解明し,運動学習を作業療法に応用するための基礎資料を得ることを目的に,賦活量と媒介中心性を運動学習前後で比較検討した.その結果,運動学習後に右背外側前頭前野,左前頭眼窩,左右前頭極の賦活量は減少し,左背外側前頭前野の媒介中心性は上昇した.また,運動学習の遅速による脳機能変化の差異では,右背外側前頭前野の媒介中心性の変化に違いを認めた.これらの領域をモニタリングすることは,作業療法の実践歴に加え脳機能の観点からも,対象者に合わせた作業療法介入を検討する上での基礎資料になりうる.
Bibliography:原著論文
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.42.3_270