子どものハイリスク治療受け入れに向けた促しのための親の方略

要旨 ハイリスク治療の意思決定への子どもの参加には親が強く関与し,親の働きかけとして「治療受け入れへの促し」と「確かめ」が先行研究から確認された.そこで本研究は,治療受け入れへの親の促しの構造を探求することを目的として,造血幹細胞移植を受ける子どもの親をプロスペクティブに調査し,グランデッドセオリーアプローチを用いて分析した. その結果,「子どもの治療受け入れへの促し」は【親が期待する子どもの治療受け入れ】として《変化の受け入れ》《必要性の受け入れ》《主体的受け入れ》を目標と設定し,これらの目標実現に向けた【促し方】として《移植の告知》《動機づけ》《効果の提示》《子どもの情報収集の操作》《拒否...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護科学会誌 Vol. 26; no. 2; pp. 3 - 11
Main Authors 野村 佳代, 村田 惠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.06.2006
公益社団法人 日本看護科学学会
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:要旨 ハイリスク治療の意思決定への子どもの参加には親が強く関与し,親の働きかけとして「治療受け入れへの促し」と「確かめ」が先行研究から確認された.そこで本研究は,治療受け入れへの親の促しの構造を探求することを目的として,造血幹細胞移植を受ける子どもの親をプロスペクティブに調査し,グランデッドセオリーアプローチを用いて分析した. その結果,「子どもの治療受け入れへの促し」は【親が期待する子どもの治療受け入れ】として《変化の受け入れ》《必要性の受け入れ》《主体的受け入れ》を目標と設定し,これらの目標実現に向けた【促し方】として《移植の告知》《動機づけ》《効果の提示》《子どもの情報収集の操作》《拒否への対応》《主体的受け入れへの促し》,【促しを効果的にする工夫】としての《適任者》《タイミング》の検討から成り立ち,これは,『子どもの治療受け入れに向けた促しのための親の方略』であることが明らかになった.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.26.2_3