脳損傷者における眼球運動障害改善のためのリハビリテーション

要旨:脳損傷による眼球運動障害に苦しむ患者は多いが,そのリハビリテーションの方法は確立されていない.本稿では,眼球運動の神経機構,脳画像所見と予後予測,一般的な評価や治療を概説したのち,国内外の脳損傷者に対する眼球運動障害改善のためのリハビリテーションの報告を俯瞰し,臨床での活用をテーマに再考した.過去の研究では,追視,固視,サッケード,輻輳を促通する訓練が眼球運動を改善させると報告されており,訓練時間や頻度も通常診療のなかで実施可能な範囲であった.眼球運動障害は,生活に大きな影響を与えるものである.作業療法士が,積極的な眼球運動障害への評価,介入とその効果検証を行っていく必要があると考える....

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Bibliographic Details
Published in作業療法 Vol. 40; no. 6; pp. 713 - 720
Main Authors 渡部 喬之, 鈴木 久義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.12.2021
一般社団法人 日本作業療法士協会
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ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.40.6_713

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Summary:要旨:脳損傷による眼球運動障害に苦しむ患者は多いが,そのリハビリテーションの方法は確立されていない.本稿では,眼球運動の神経機構,脳画像所見と予後予測,一般的な評価や治療を概説したのち,国内外の脳損傷者に対する眼球運動障害改善のためのリハビリテーションの報告を俯瞰し,臨床での活用をテーマに再考した.過去の研究では,追視,固視,サッケード,輻輳を促通する訓練が眼球運動を改善させると報告されており,訓練時間や頻度も通常診療のなかで実施可能な範囲であった.眼球運動障害は,生活に大きな影響を与えるものである.作業療法士が,積極的な眼球運動障害への評価,介入とその効果検証を行っていく必要があると考える.
Bibliography:総説
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.40.6_713