回復期の脳卒中上肢機能訓練における信念対立の質的解明

要旨:本研究の目的は,回復期の脳卒中上肢機能訓練における信念対立の構造を明らかにすることである.構造構成的質的研究を採用し,データ分析にはSteps for Coding and Theorizationを用いた.研究対象者は6名の作業療法士であった.結果は〈治療方針に関わる信念の生成プロセス〉〈上肢機能訓練に関わる信念対立の構造〉〈信念対立解明の手がかり〉の3個のテーマが存在した.信念対立の解明には,自身や他者の治療方針を決定付ける信念の成立根拠を自覚することや,EBPを正確に理解すること,建設的なコミュニケーションをとるなかで対象者の状況に応じた目的を明確化することなどが重要であると考えら...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in作業療法 Vol. 41; no. 3; pp. 315 - 324
Main Authors 廣瀬 卓哉, 寺岡 睦, 京極 真
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.06.2022
一般社団法人 日本作業療法士協会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.41.3_315

Cover

Loading…
More Information
Summary:要旨:本研究の目的は,回復期の脳卒中上肢機能訓練における信念対立の構造を明らかにすることである.構造構成的質的研究を採用し,データ分析にはSteps for Coding and Theorizationを用いた.研究対象者は6名の作業療法士であった.結果は〈治療方針に関わる信念の生成プロセス〉〈上肢機能訓練に関わる信念対立の構造〉〈信念対立解明の手がかり〉の3個のテーマが存在した.信念対立の解明には,自身や他者の治療方針を決定付ける信念の成立根拠を自覚することや,EBPを正確に理解すること,建設的なコミュニケーションをとるなかで対象者の状況に応じた目的を明確化することなどが重要であると考えられた.
Bibliography:原著論文
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.41.3_315