施設入所高齢者の夜間のおむつ交換回数による中途覚醒時間の変化
抄録 高齢者の睡眠改善を目指したおむつ交換方法への示唆を得ることを目的に,介護保険施設1施設で一律定時に行われる夜間のおむつ交換回数を2回から1回に減らし,睡眠変数の変化からその効果と高齢者の特徴を検討した.ベースライン期と介入期の各2週間,アクティグラフによる睡眠変数や温度等の環境を24時間連続で測定した.対象者は女性13人で,年齢92.3±7.3歳,NMスケール9.9±7.1点,N-ADL 9.8±3.5点であった.健康状態や環境は観察期による差はなかった.全対象者の睡眠変数の中央値は観察期による差はなかったが,最大・最小値の差は大きかった.対象者の平均年齢から算出した中途覚醒時間の推定値...
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Published in | 日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 25; no. 2; pp. 51 - 60 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本老年看護学会
01.01.2021
一般社団法人 日本老年看護学会 |
Subjects | |
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ISSN | 1346-9665 2432-0811 |
DOI | 10.20696/jagn.25.2_51 |
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Summary: | 抄録 高齢者の睡眠改善を目指したおむつ交換方法への示唆を得ることを目的に,介護保険施設1施設で一律定時に行われる夜間のおむつ交換回数を2回から1回に減らし,睡眠変数の変化からその効果と高齢者の特徴を検討した.ベースライン期と介入期の各2週間,アクティグラフによる睡眠変数や温度等の環境を24時間連続で測定した.対象者は女性13人で,年齢92.3±7.3歳,NMスケール9.9±7.1点,N-ADL 9.8±3.5点であった.健康状態や環境は観察期による差はなかった.全対象者の睡眠変数の中央値は観察期による差はなかったが,最大・最小値の差は大きかった.対象者の平均年齢から算出した中途覚醒時間の推定値80分を基準とし,介入期における基準値以上の日数の減少の有無により対象者の特徴を検討した.減少あり群は7人で,NMスケールは有意に高く(p=.026),N-ADLは高い傾向がみられ(p=.050),夜間のおむつ交換回数を減らす介入効果は,認知機能やADLのレベルとの関係が推定された.本研究の結果から,施設入所高齢者の睡眠改善に向けた排泄援助の検討では,認知機能やADLを考慮する必要があることが示唆された. |
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Bibliography: | 原著 |
ISSN: | 1346-9665 2432-0811 |
DOI: | 10.20696/jagn.25.2_51 |