老人看護専門看護師が行う「教育」活動

1.はじめに 2016年に開催された日本老年看護学会第21回学術集会において老人看護専門看護師(以下,GCNS)の活動を報告することになり,われわれは専門看護師の6つの役割のひとつである「教育」を担当した.専門看護師が行う「教育」とは「看護者に対しケアを向上させるための教育的役割を果たす」(日本看護協会)に基づき実践されるものである.このことを踏まえ,GCNSの役割としての「教育」を考えるにあたり,おのおのの活動の場で実際に行っている「教育」の活動を話し合った.すると,われわれが行っている「教育」の活動は,講師として受講者に対し特定のテーマを講義することに限らず,困難事例に介入して得た成果や多...

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Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 23; no. 1; pp. 26 - 32
Main Authors 森山 祐美, 髙道 香織, 橋本 裕, 田村 文佳, 岡本 充子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 31.07.2018
一般社団法人 日本老年看護学会
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ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.23.1_26

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Summary:1.はじめに 2016年に開催された日本老年看護学会第21回学術集会において老人看護専門看護師(以下,GCNS)の活動を報告することになり,われわれは専門看護師の6つの役割のひとつである「教育」を担当した.専門看護師が行う「教育」とは「看護者に対しケアを向上させるための教育的役割を果たす」(日本看護協会)に基づき実践されるものである.このことを踏まえ,GCNSの役割としての「教育」を考えるにあたり,おのおのの活動の場で実際に行っている「教育」の活動を話し合った.すると,われわれが行っている「教育」の活動は,講師として受講者に対し特定のテーマを講義することに限らず,困難事例に介入して得た成果や多職種との協働から得られた成果を関係する多くのスタッフと共有していくこと,看護部門の下で組織しているケアチーム会のリーダーシップや,看護部のケアシステムの構築を図ること,院外での公的任務において関係者に老人看護の専門家として意見し共有していくことなどが挙げられた. そのような話し合いのなか,おのおのの教育活動を総括する事例が語られた.本稿では,まずGCNSであるAが経験した教育活動展開の一事例を述べる.そして,専門看護師が「教育」を実践するために必要な要素を抽出し,GCNSが行う「教育」活動について検討する. なお,本稿は第21回学術集会においてポスター発表した活動紹介をもとにまとめたものである.
Bibliography:特集1「老人看護専門看護師の活動紹介;6つの役割について」
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.23.1_26