2025年問題に対する日本老年社会科学会の貢献

• Published in: 日本老年看護学会誌（老年看護学） Vol. 20; no. 1; pp. 7 - 8
• Main Author: 北川 公子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本老年看護学会 30.06.2015; 一般社団法人 日本老年看護学会; Japan Academy of Gerontological Nursing
• ISSN: 1346-9665; 2432-0811
• DOI: 10.20696/jagn.20.1_7

１．はじめに　1959年11月に発足した日本老年社会科学会（Japan Socio-Gerontological Society／以下，本学会）は，設立から半世紀以上が経過し，2015年の学術集会が第57回大会となる．日本老年学会を構成する7団体のなかでは，日本老年医学会とともにもっとも古い．設立翌年（1960年）の高齢化率は5.7％であり，高齢化率が7.0％を超えた1970年より11年も前のことであった．わが国が高齢化の坂道を駆け登るよりもはるかに早く，本学会は「老年」をテーマにした諸課題の探究に着手したといえる．　2025年にはベビーブーマーがすべて後期高齢者となり，高齢化率は30.3％に達すると推計されている．この2025年問題について，本学会を代表して議論する力量はないが，日本老年看護学会が設立されるまでの数年間，「老年」を共通用語に論文や研究者に出会う唯一の機会であったことを体験している一会員の立場から，本学会がこの課題に対してどのような貢献が可能なのか，私見を述べてみたい．