認知症専門病院を受診・入院している認知症高齢者の家族介護者が行う行動・心理症状への対応:質的内容分析

要旨 目的:認知症専門病院を受診・入院している認知症高齢者の家族介護者が行う行動・心理症状への対応を明らかにする. 方法:認知症高齢者を介護する家族介護者16名に半構造化面接を実施し,Elo & Kyngäs(2008)の質的内容分析を行った. 結果:【被介護者への抑えられない叱責】【被介護者に対する行動制限】などの16カテゴリーから構成される《BPSDへの対応の模索》《発展的対応》《抑圧的対応》《孤立をもたらす対応》の4つのテーマが得られた.家族介護者は周囲の人と効果的な対応を共有し,介護のコツを獲得するといった《発展的対応》と,叱責,制限といった《抑圧的対応》の両方を行っていた.【...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 1 - 10
Main Authors 寺岡 貴子, 深堀 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2022
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.42.1

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Summary:要旨 目的:認知症専門病院を受診・入院している認知症高齢者の家族介護者が行う行動・心理症状への対応を明らかにする. 方法:認知症高齢者を介護する家族介護者16名に半構造化面接を実施し,Elo & Kyngäs(2008)の質的内容分析を行った. 結果:【被介護者への抑えられない叱責】【被介護者に対する行動制限】などの16カテゴリーから構成される《BPSDへの対応の模索》《発展的対応》《抑圧的対応》《孤立をもたらす対応》の4つのテーマが得られた.家族介護者は周囲の人と効果的な対応を共有し,介護のコツを獲得するといった《発展的対応》と,叱責,制限といった《抑圧的対応》の両方を行っていた.【周囲に被介護者のことを隠秘】し,自己犠牲を払って《孤立をもたらす対応》に至る場合もあった. 結論:被介護者の尊厳を傷つける可能性のある《抑圧的対応》に関して,適切なサポートを行うことで,虐待や孤立を予防できる可能性がある.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.1