II期以降の続発性リンパ浮腫患者が複合的治療のアドヒアランスを獲得していくプロセス

要旨目的:II期以降の続発性リンパ浮腫患者が,複合的治療(以下CDT)を行う際のアドヒアランスを獲得していくプロセスを明らかにする.方法:CDTのアドヒアランスが獲得されている10名の女性リンパ浮腫患者に対して半構造化面接法による質的帰納的研究を行った.結果:患者がCDTのアドヒアランスを獲得するプロセスには,【知覚】【動機づけ】【実践】【医療者の存在】【障壁】の5つで構成されていた.それらは時間軸で4つの様相に分類されリンパ浮腫の増悪を知覚しCDTに取り掛かり始める様相から,リンパ浮腫を受け入れながらCDTの主体性ある取り組みが定着する様相へと変化していた.結論:患者が,CDTを行う際のアド...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 38; no. 1; pp. 184 - 192
Main Authors 井沢 知子, 荒尾 晴恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2018
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.38.184

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Summary:要旨目的:II期以降の続発性リンパ浮腫患者が,複合的治療(以下CDT)を行う際のアドヒアランスを獲得していくプロセスを明らかにする.方法:CDTのアドヒアランスが獲得されている10名の女性リンパ浮腫患者に対して半構造化面接法による質的帰納的研究を行った.結果:患者がCDTのアドヒアランスを獲得するプロセスには,【知覚】【動機づけ】【実践】【医療者の存在】【障壁】の5つで構成されていた.それらは時間軸で4つの様相に分類されリンパ浮腫の増悪を知覚しCDTに取り掛かり始める様相から,リンパ浮腫を受け入れながらCDTの主体性ある取り組みが定着する様相へと変化していた.結論:患者が,CDTを行う際のアドヒアランスの獲得には,楽であるという【知覚】が,やろうという【動機づけ】と連動して,【実践】を引き起こす正の循環が,リンパ浮腫患者のCDTのアドヒアランスの獲得をもたらす可能性が示唆された.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.38.184