慢性閉塞性肺疾患療養者の身体活動性を改善した訪問看護師の看護実践

要旨 目的:訪問看護師の視点から,COPD療養者の身体活動性を改善した訪問看護師の看護実践を明らかにすること. 方法:訪問看護師4名にCOPD療養者の身体活動性が改善した1例の経験について半構造化面接を実施した.Steps for Coding and Theorizationを用いて,協働的パートナーシップ螺旋モデルを分析的枠組みに適用し,質的に分析した. 結果:すべての事例から,COPD療養者と訪問看護師の相互作用を示す62個の理論記述が得られた.さらに,各事例の理論記述の共通性と差異性を検討した結果,【動機付けを高める信頼の獲得】や【安楽な生活動作スキルの協働構築】等,26個の訪問看護師...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 42; no. 1; pp. 310 - 320
Main Authors 前田 直宏, 河原 加代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2022
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.42.310

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Summary:要旨 目的:訪問看護師の視点から,COPD療養者の身体活動性を改善した訪問看護師の看護実践を明らかにすること. 方法:訪問看護師4名にCOPD療養者の身体活動性が改善した1例の経験について半構造化面接を実施した.Steps for Coding and Theorizationを用いて,協働的パートナーシップ螺旋モデルを分析的枠組みに適用し,質的に分析した. 結果:すべての事例から,COPD療養者と訪問看護師の相互作用を示す62個の理論記述が得られた.さらに,各事例の理論記述の共通性と差異性を検討した結果,【動機付けを高める信頼の獲得】や【安楽な生活動作スキルの協働構築】等,26個の訪問看護師の看護実践が立ち現れた. 結論:終末期であっても,身体活動や栄養障害の改善に向かう看護の視点が重要であり,特定の訪問看護師によってCOPD療養者の思いが打ち明けられるような関係性を構築しながら,医療的な課題を解決していくことが身体活動性の改善を導くキーポイントであると考えられた.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.42.310