東アジア諸国共同開催企画シンポジウムin the 11th IAGG

1.はじめに 日本老年看護学会国際交流委員会は,日本の老年看護の世界への発信を積極的に行い,各国からの参加者との国際交流を活発に進めていくことを通して,日本国内での老年看護の活性化,老年看護研究者の日本の研究活動を広く周知していくこと,さらに国際共同研究を進めていくことを目的として,活動してきた.ちょうど国際老年学協会(International Association of Gerontology and Geriatrics;IAGG)のアジア・オセアニアの地方会が台湾・台北市で開催されるとのことであった.本学会でも,会員の方々へ国際学会への発表を後押ししてきた.2019年10月23〜25...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本老年看護学会誌(老年看護学) Vol. 26; no. 1; pp. 139 - 142
Main Authors 山本 則子, 山川 みやえ, 深堀 浩樹, 五十嵐 歩, 鳥本 靖子, 小林 小百合, 齋藤 弓子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本老年看護学会 2021
一般社団法人 日本老年看護学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-9665
2432-0811
DOI10.20696/jagn.26.1_139

Cover

More Information
Summary:1.はじめに 日本老年看護学会国際交流委員会は,日本の老年看護の世界への発信を積極的に行い,各国からの参加者との国際交流を活発に進めていくことを通して,日本国内での老年看護の活性化,老年看護研究者の日本の研究活動を広く周知していくこと,さらに国際共同研究を進めていくことを目的として,活動してきた.ちょうど国際老年学協会(International Association of Gerontology and Geriatrics;IAGG)のアジア・オセアニアの地方会が台湾・台北市で開催されるとのことであった.本学会でも,会員の方々へ国際学会への発表を後押ししてきた.2019年10月23〜25日に,台湾の台北市で開催されたThe 11th IAGG-AOR(International Association of Gerontology and Geriatrics Asia/Oceania Regional)Congress 2019に日本老年看護学会の国際交流委員会として,シンポジウムを企画,採択され国際交流委員会委員が参加し,発表および今後の国際交流についての協議を行った. IAGGは,1950年に設立された歴史のある学会である.ホームページには以下のように書かれている.「IAGGのミッションは,老年学の研究とトレーニングにおける最高レベルの成果を世界的に推進すること,そして,世界的に,また会員団体を代表して老年学の利益を促進するために,他の国際的,政府間,非政府組織と交流することである.IAGGは,個人レベルおよび社会レベルで加齢を経験するすべての人々の最高の生活の質と幸福を高めることを目的として,これらの活動を行っている」.IAGGは,世界83か国以上に86の加盟団体があり,合計52,774人以上の専門家が所属している大規模な老年学の学会で,高齢者に影響を与え,その生活の質に影響を与える医療・社会サービス,住宅・所得支援,研究・教育,公共政策,行政,その他の分野・領域・専門職におけるキーオピニオンリーダーを育成している(IAGG,2021).非常に学際的な実践,人材の交流の場であり,本学会の国際交流委員会のビジョンにあった学会である. 今回,参加したのはIAGGの地方会であるIAGG-AORである.IAGG-AORは,1978年に設立され,現在,オーストラリア,香港,インド,インドネシア,日本,韓国,マレーシア,モンゴル,ネパール,ニュージーランド,中華人民共和国,フィリピン,シンガポール,台湾,タイの16か国が加盟している.4年に1回地方会があり,2015年はタイのチェンマイ市,2019年は今回の台北市,そして2023年は日本の横浜市で開催される(日本老年学会,2020). 地方会は,地域や民族的な観点から,類似した社会問題を有しており,アジアにおいても高齢化は甚だしく,高齢化率では日本は世界のトップを走っているが,台湾,韓国,中国の東アジア諸国の高齢化のスピードは日本のをはるかに上回る速さであることはよく知られている.来るべき超高齢社会をどのように迎えるのか,そして受け入れていくのかを東アジアのステークホルダーと議論することは意味深い.
Bibliography:委員会報告
ISSN:1346-9665
2432-0811
DOI:10.20696/jagn.26.1_139