小手術をうける幼児後期の子どもの姿

要旨 この研究の目的は,小手術を受ける幼児後期の子どもが何をどのように表現しているかを明らかにし,それはどのような意味を持つのか分析することである.研究方法はレイニンガーの民族看護学の研究方法を用いた.9名の子どもを中心となる情報提供者とした.14名の看護者と小手術を受ける子どもの母親4名の計18名を一般情報提供者とした.分析結果,5つのテーマが抽出された.テーマ1:子どもは,あらかじめ説明された手術の経過について,子どもなりに理解していることには,前向きに関わろうと頑張っている.テーマ2:子どもは,手術の前後で聞いていなかったことに直面すると,途中で説明も加えられないため,受け入れるのが難し...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 19; no. 3; pp. 11 - 18
Main Author 岡本 幸江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 30.11.1999
公益社団法人 日本看護科学学会
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Summary:要旨 この研究の目的は,小手術を受ける幼児後期の子どもが何をどのように表現しているかを明らかにし,それはどのような意味を持つのか分析することである.研究方法はレイニンガーの民族看護学の研究方法を用いた.9名の子どもを中心となる情報提供者とした.14名の看護者と小手術を受ける子どもの母親4名の計18名を一般情報提供者とした.分析結果,5つのテーマが抽出された.テーマ1:子どもは,あらかじめ説明された手術の経過について,子どもなりに理解していることには,前向きに関わろうと頑張っている.テーマ2:子どもは,手術の前後で聞いていなかったことに直面すると,途中で説明も加えられないため,受け入れるのが難しく,納得できずに苛立ちを感じている.テーマ3:看護者や母親は,麻酔から覚醒し部屋に戻った時点で手術は「終わった」と思うが,子どもには点滴や痛みがあるため,なお頑張りつづけなくてはならず,手術は「終わっていない」.テーマ4:手術前後において,看護者や母親は子どもの言動を理解できず戸惑っているため,子どもは一貫した支えを得られない.テーマ5:入院時,子どもは自分のベッドであることを説明されると,子どもにとってベッドは拠り所になる.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.19.3_11