Warning: Full texts from electronic resources are only available from the university network. You are currently outside this network. Please log in to access full texts.
高齢者のうつ病からの回復—生活世界との関連における検討
要旨 目的:高齢者のうつ病からの回復について,生活世界との関連の中で明らかにすることである. 方法:うつ病と診断され精神科治療を受けており,寛解または維持期にある65歳以上の高齢者8名を対象に,非構成的面接を行い,Giorgiの科学的現象学的方法で分析した. 結果:高齢者は,うつ病の発症から急性期にかけて心身が【生活世界からの疎外や圧迫】を受けており,生活世界の中で自由に生きることができなくなっていた.そのような疎外や圧迫が強くなることによって,【厭世観による死の衝動からの支配】に至っていた.これらの体験は,治療につながるきっかけとなり,精神科治療を受ける中で【生活世界へ帰還するきっかけを実感...
Saved in:
Published in | 日本看護科学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 1 - 10 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護科学学会
31.12.2014
公益社団法人 日本看護科学学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-5330 2185-8888 |
DOI | 10.5630/jans.34.1 |
Cover
Summary: | 要旨 目的:高齢者のうつ病からの回復について,生活世界との関連の中で明らかにすることである. 方法:うつ病と診断され精神科治療を受けており,寛解または維持期にある65歳以上の高齢者8名を対象に,非構成的面接を行い,Giorgiの科学的現象学的方法で分析した. 結果:高齢者は,うつ病の発症から急性期にかけて心身が【生活世界からの疎外や圧迫】を受けており,生活世界の中で自由に生きることができなくなっていた.そのような疎外や圧迫が強くなることによって,【厭世観による死の衝動からの支配】に至っていた.これらの体験は,治療につながるきっかけとなり,精神科治療を受ける中で【生活世界へ帰還するきっかけを実感】することができていた.生活世界への帰還は,うつ病からの寛解を意味していた.うつ病高齢者にとっての生活世界への帰還のあり方は【なじみの人間関係や日常生活に帰還】し,【死の衝動からの解放と天寿全うへの託し】に至ることであった. 結論:看護師は,高齢者のうつ病からの回復を支援するために,【なじみの人間関係や日常生活への帰還】【死の衝動からの解放と天寿全うへの託し】を重視した環境創りをすることが重要である. |
---|---|
Bibliography: | 研究報告 |
ISSN: | 0287-5330 2185-8888 |
DOI: | 10.5630/jans.34.1 |