看護職の業務遂行における多重課題に関する研究—卓越性,熟慮性,および自己効力感との関連
要旨 目的:多重課題困難感の要因として看護実践能力,認知的熟慮性,自己効力感との関連を探索することを目的とした. 方法:看護職349名の基本的属性,多重課題困難感,看護実践の卓越性自己評価尺度(NESCP),認知的熟慮性−衝動性尺度,一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)について,Mann-Whitney U検定と多重ロジスティック回帰分析を行った. 結果:多重課題困難感を感じない群でNESCP(p < 0.001)や GSES(p < 0.001)の得点が高く,GSESの得点の増加(aOR = 0.864, 95%CI: 0.803〜0.930)や男性であること(aOR =...
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Published in | 日本看護科学会誌 Vol. 40; no. 1; pp. 74 - 81 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護科学学会
2020
公益社団法人 日本看護科学学会 |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-5330 2185-8888 |
DOI | 10.5630/jans.40.74 |
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Summary: | 要旨 目的:多重課題困難感の要因として看護実践能力,認知的熟慮性,自己効力感との関連を探索することを目的とした. 方法:看護職349名の基本的属性,多重課題困難感,看護実践の卓越性自己評価尺度(NESCP),認知的熟慮性−衝動性尺度,一般性セルフ・エフィカシー尺度(GSES)について,Mann-Whitney U検定と多重ロジスティック回帰分析を行った. 結果:多重課題困難感を感じない群でNESCP(p < 0.001)や GSES(p < 0.001)の得点が高く,GSESの得点の増加(aOR = 0.864, 95%CI: 0.803〜0.930)や男性であること(aOR = 2.975, 95%CI: 1.333〜6.639)が,多重課題困難感を低下させる要因であった. 結論:多重課題困難感の要因として自己効力感と性別が関連していた.自己効力感を高めるような教育を行うことで,多重課題困難感を軽減する可能性が示唆された. |
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Bibliography: | 原著 |
ISSN: | 0287-5330 2185-8888 |
DOI: | 10.5630/jans.40.74 |