電子化における学術雑誌のスタイルの課題―「日本看護科学会誌」の現状

1.はじめに 学会の大きな財産である「日本看護科学会誌」(以下,「本学会誌」という)に掲載される学術論文を会員が有効に活用することは,研究・実践・教育活動を支援するという新たな「知の創造」へとつながる道である. 研究・学術情報委員会では,1999年度にホームページの開設と整備を行い,情報発信と研究支援の可能性を示した(堀内他, 2000).さらに,そのWebサイト上に,本学会誌の全文データを登録した「JANS論文データベース」を構築し,会員へ積極的に活用を働きかけてきた(美代他,2000).電子化,インターネット上の公開についての許諾を得た過去の論文は,順次データ登録され,2001年の夏にはす...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護科学会誌 Vol. 21; no. 3; pp. 91 - 94
Main Authors 松本 直子, 堀内 成子, 江藤 宏美, 水流 聡子, 美代 賢吾, 石垣 恭子, 柏木 公一, 柳田 征宏, 真田 弘美, 山田 雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2001
公益社団法人 日本看護科学学会
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:1.はじめに 学会の大きな財産である「日本看護科学会誌」(以下,「本学会誌」という)に掲載される学術論文を会員が有効に活用することは,研究・実践・教育活動を支援するという新たな「知の創造」へとつながる道である. 研究・学術情報委員会では,1999年度にホームページの開設と整備を行い,情報発信と研究支援の可能性を示した(堀内他, 2000).さらに,そのWebサイト上に,本学会誌の全文データを登録した「JANS論文データベース」を構築し,会員へ積極的に活用を働きかけてきた(美代他,2000).電子化,インターネット上の公開についての許諾を得た過去の論文は,順次データ登録され,2001年の夏にはすべての登録が完了した.世界中から24時間いつでも本学会誌の論文にアクセスできる環境が整えられた. 看護雑誌の電子化,オンラインジャーナル移行への動きは,1997年より活発にみられるようになった(松本他, 2000).「JANS論文データベース」は,全文が閲覧できるばかりではなく,国内の看護雑誌としては先駆的に,サービス当初より,全文検索が可能なデータベースとしての機能を備えていた. 当委員会では,さらに効果的な検索を支援するためのキーワード付与を計画した. 特に,Evidence-Based Nursing(EBN)の観点から,研究デザインに関する用語の補強を検討した.しかし,一つのデータベースとして,会員が活発にアクセスし,その学術的な情報流通の場として有効に機能するためには,次のような未解決の問題のあることがわかった.(1)著者によるキーワードの選択 ─用語が統一されていない ─テーマを特定しにくいほど広い概念(2)抄録のスタイル(3)研究方法の項目(4)記事区分があいまい そこで,検討の過程で調査して明らかになったことを報告し,将来への課題を提示したい.
Bibliography:委員会報告
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.21.3_91