脳卒中患者が回復期病棟入院中に抱く退院後生活の認識の変容プロセス—複線径路等至性アプローチの分析から
要旨:本研究の目的は,脳卒中患者が回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ)入院中に抱く退院後生活の認識の変容プロセスを明らかにすることである.回復期リハ入院中の脳卒中患者3名に,発症時からの経験と退院後生活の認識についてインタビューを行い,その内容を,複線径路等至性アプローチを用いて分析した.3名は,自身が望む生活と現状に乖離を感じるが,回復の実感に即した助言とプログラムを作業療法士から提供されることにより,社会復帰への自信を取り戻しながら新たに生活を構築するプロセスを示した.以上より,回復期リハ入院早期から,社会的役割が維持できるような目標を脳卒中患者と共有することが必要と考える....
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Published in | 作業療法 Vol. 41; no. 3; pp. 285 - 293 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本作業療法士協会
15.06.2022
一般社団法人 日本作業療法士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0289-4920 2434-4419 |
DOI | 10.32178/jotr.41.3_285 |
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Summary: | 要旨:本研究の目的は,脳卒中患者が回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ)入院中に抱く退院後生活の認識の変容プロセスを明らかにすることである.回復期リハ入院中の脳卒中患者3名に,発症時からの経験と退院後生活の認識についてインタビューを行い,その内容を,複線径路等至性アプローチを用いて分析した.3名は,自身が望む生活と現状に乖離を感じるが,回復の実感に即した助言とプログラムを作業療法士から提供されることにより,社会復帰への自信を取り戻しながら新たに生活を構築するプロセスを示した.以上より,回復期リハ入院早期から,社会的役割が維持できるような目標を脳卒中患者と共有することが必要と考える. |
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Bibliography: | 原著論文 |
ISSN: | 0289-4920 2434-4419 |
DOI: | 10.32178/jotr.41.3_285 |