自閉症スペクトラム障害児に対する早期集中型の応用行動分析学的アプローチの実践—作業療法士による行動コンサルテーション

要旨:応用行動分析学(以下,ABA)に基づき,2歳4ヵ月の自閉症スペクトラム障害(以下,ASD)児に早期の集中的な介入を行った.コンサルタントである作業療法士(以下,OT)は,母親だけでなく,障害福祉施設のOTおよび言語聴覚士とも連携し,不連続試行法および機軸的行動発達支援法を活用した介入を,1日30分以上,週10時間未満の範囲で実施した.2ヵ月後,数十種類のコミュニケーションスキルが獲得された.本報告は,ASD児への早期の集中的なABA介入の有効性を示唆する.加えて,行動コンサルテーションは,家庭内だけでなく地域の療育機関の連携を可能とし,集中的なABA介入の実現に寄与する可能性がある....

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Published in作業療法 Vol. 38; no. 4; pp. 481 - 489
Main Authors 倉澤 茂樹, 泉谷 憲正, 武淵 さやか, 塩津 裕康, 横井 賀津志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.08.2019
一般社団法人 日本作業療法士協会
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Summary:要旨:応用行動分析学(以下,ABA)に基づき,2歳4ヵ月の自閉症スペクトラム障害(以下,ASD)児に早期の集中的な介入を行った.コンサルタントである作業療法士(以下,OT)は,母親だけでなく,障害福祉施設のOTおよび言語聴覚士とも連携し,不連続試行法および機軸的行動発達支援法を活用した介入を,1日30分以上,週10時間未満の範囲で実施した.2ヵ月後,数十種類のコミュニケーションスキルが獲得された.本報告は,ASD児への早期の集中的なABA介入の有効性を示唆する.加えて,行動コンサルテーションは,家庭内だけでなく地域の療育機関の連携を可能とし,集中的なABA介入の実現に寄与する可能性がある.
Bibliography:実践報告
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.38.4_481