いのちを支える先駆的看護実践

病む人とその家族から委ねられる「いのち」は本来他人には任せたくないかけがえのないものである.看護職はそのような命を育む援助から,患者の最も身近にあってその人らしく存在するいのちの支援を託されている専門家である.そして看護職は単に職業としての役割である療養上の世話や,診療の補助を期待される専門家ではない.「いのち」のはじまりから終焉まで,「いのち」を価値あるもの,意味のあるものとするための援助,そして人としての尊厳を保ち,その人らしく生きることを最後まで支援するためにダイナミックに機能する専門家としての役割が期待されているのではないだろうか. 「いのちに向き合う看護」というメインテーマを受けてシ...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 76 - 84
Main Authors 徳永 恵子, 野嶋 佐由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 20.03.2006
公益社団法人 日本看護科学学会
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Summary:病む人とその家族から委ねられる「いのち」は本来他人には任せたくないかけがえのないものである.看護職はそのような命を育む援助から,患者の最も身近にあってその人らしく存在するいのちの支援を託されている専門家である.そして看護職は単に職業としての役割である療養上の世話や,診療の補助を期待される専門家ではない.「いのち」のはじまりから終焉まで,「いのち」を価値あるもの,意味のあるものとするための援助,そして人としての尊厳を保ち,その人らしく生きることを最後まで支援するためにダイナミックに機能する専門家としての役割が期待されているのではないだろうか. 「いのちに向き合う看護」というメインテーマを受けてシンポジウムⅢは,看護実践の場において,「いのち」の創造から死に至るまでさまざまなライフステージで,対象となる人とその家族を取り巻く環境の中で各専門領域における先駆的看護実践のこれまでの取り組み,成果,課題等について,4名のシンポジストより紹介いただいた.
Bibliography:第25回日本看護科学学会学術集会シンポジウム
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.26.1_76