外照射を受けるがん患者に対する放射線療法看護の実践状況

要旨 本研究の目的は,外照射を受けるがん患者に対する放射線療法看護の実践状況を明らかにすることである. 放射線療法看護に携わる看護師1,400名にがん放射線療法看護の質評価指標を用いて放射線療法看護の実践状況を問う自記式質問紙調査を実施した.回収数は394名で,すべての項目に記入があった349名を分析対象とした.がん放射線療法看護の質評価指標の信頼性と構成概念妥当性を確認した後,放射線療法看護の構成因子,職位,所属,施設の分類,がん放射線療法看護認定看護師資格の有無による実践状況を分析した. 結果,安全に照射を受けるケア,納得した治療を意思決定するケア,セルフマネジメントを促進するケアは実践で...

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Published in日本がん看護学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 300 - 311
Main Authors 日浅 友裕, 片岡 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本がん看護学会 09.10.2021
一般社団法人 日本がん看護学会
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Summary:要旨 本研究の目的は,外照射を受けるがん患者に対する放射線療法看護の実践状況を明らかにすることである. 放射線療法看護に携わる看護師1,400名にがん放射線療法看護の質評価指標を用いて放射線療法看護の実践状況を問う自記式質問紙調査を実施した.回収数は394名で,すべての項目に記入があった349名を分析対象とした.がん放射線療法看護の質評価指標の信頼性と構成概念妥当性を確認した後,放射線療法看護の構成因子,職位,所属,施設の分類,がん放射線療法看護認定看護師資格の有無による実践状況を分析した. 結果,安全に照射を受けるケア,納得した治療を意思決定するケア,セルフマネジメントを促進するケアは実践できていたが,がんサバイバーとして生きぬくケアは十分な実践ができていなかった.安全に照射を受けるケア,セルフマネジメントを促進するケアは,病棟に比べ放射線治療部門が有意に高かった(p<0.01).すべての因子において,一般看護師に比べがん放射線療法看護認定看護師の実践が有意に高かった(p<0.01). 今後,さらに放射線療法看護の質を高めるためには,がんサバイバーとして生きぬくケアを重点的に教育する必要性が示唆された.また,認定看護師は実践の場で役割モデルを示し,看護師への指導・相談の役割を果たすことで,放射線療法看護の質向上が期待される.
Bibliography:原著
ISSN:0914-6423
2189-7565
DOI:10.18906/jjscn.35_300_hiasa