臨床実習において対象理解の手がかりとなる学生の体験についての抽出

要旨 この研究の目的は,助産婦学生が妊娠期の女性をどのように理解しているか記述し,それをもとにして,臨床実習において対象理解の手がかりとなる学生の体験を抽出することである.データ収集は,16人の助産婦学生に対して半構成面接により実施し,分析は,質的因子探索型の手法をとった. 助産婦学生による妊娠期の女性に対する対象理解は,①「母親としての自己」を中心に展開している対象理解,②「2つの自己のバランス」を中心に展開している対象理解,③「生活周辺の他者との相互関係」を中心に展開している対象理解,の3つのタイプに分類された.学生の対象理解の手がかりとなる体験は,女性の自己概念の変容のプロセスに,学生が...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 18; no. 3; pp. 76 - 86
Main Author 山崎 あけみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 07.12.1998
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.18.3_76

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Summary:要旨 この研究の目的は,助産婦学生が妊娠期の女性をどのように理解しているか記述し,それをもとにして,臨床実習において対象理解の手がかりとなる学生の体験を抽出することである.データ収集は,16人の助産婦学生に対して半構成面接により実施し,分析は,質的因子探索型の手法をとった. 助産婦学生による妊娠期の女性に対する対象理解は,①「母親としての自己」を中心に展開している対象理解,②「2つの自己のバランス」を中心に展開している対象理解,③「生活周辺の他者との相互関係」を中心に展開している対象理解,の3つのタイプに分類された.学生の対象理解の手がかりとなる体験は,女性の自己概念の変容のプロセスに,学生がケアの行為者として『巻き込まれ体験』と,学生の観察が,女性の生活周辺の他者との相互関係について『広がり体験』があった.この2つの体験が,助産婦学生にとって,妊娠期の女性を理解する手がかりであるという示唆を得た.
Bibliography:資料
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.18.3_76