セルフケア行動とQuality of Lifeとの関連性からみた老年糖尿病患者の看護目標

要旨 老年期に糖尿病が発症した患者の看護目標をセルフケア行動とQOLとの関連性から検討する目的で,107人を対象に食事療法を中心とするセルフケア行動,それに伴う考え方,感じ方,糖尿病が与える影響とSelf-Esteem,主観的幸福感について質問紙法による調査,分析を行い以下の知見を得た.1)本研究における老年糖尿病患者のセルフケア行動の特徴として,①食事療法の必要性を認め前向きに取り組んでいるが,実施方法では「主食の量を守る」という者が大部分で,厳密なコントロールを実施している者は少数であること,②糖尿病によって最も強く感じている制約は「食事が制限されていること」であったが,社会生活上の制約を...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 23 - 32
Main Authors 横山 美樹, 野口 美和子, 正木 治恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 1992
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans1981.12.1_23

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Summary:要旨 老年期に糖尿病が発症した患者の看護目標をセルフケア行動とQOLとの関連性から検討する目的で,107人を対象に食事療法を中心とするセルフケア行動,それに伴う考え方,感じ方,糖尿病が与える影響とSelf-Esteem,主観的幸福感について質問紙法による調査,分析を行い以下の知見を得た.1)本研究における老年糖尿病患者のセルフケア行動の特徴として,①食事療法の必要性を認め前向きに取り組んでいるが,実施方法では「主食の量を守る」という者が大部分で,厳密なコントロールを実施している者は少数であること,②糖尿病によって最も強く感じている制約は「食事が制限されていること」であったが,社会生活上の制約を感じている者はほとんどいないこと,があげられた.2)積極的なセルフケア行動とQOLが高いことは関連が認められた.このことから老年糖尿病患者の看護目標として,セルフケア行動をとることで主観的健康観を高め,またセルフケアの努力を医療者や家族が認め,サポートを提供することでQOLを高めていくという観点が大切である.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.12.1_23