植込み型除細動器(ICD)を移植した壮年期患者がICDとともに生きるプロセス

要旨 目的:植込み型除細動器(ICD)を移植した患者にとって,その後の生活に見通しが立たないことは生活上の困難事のひとつとされているが,実際にどのような生活を送っているかについては不明な点が多い.本研究の目的は,壮年期患者の退院後の生活において,その行動や認識が持つ意味に着目し,ICDとともに生きるプロセスを明らかにすることである. 方法:研究協力者8名に対して半構造化面接を行い,得られた逐語録を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した. 結果:18の概念で構成される6つのカテゴリー〈関係性構築の必要性に気づく〉,〈他者と再び関係性をつくる〉,〈ICDに対する見方を変える〉,...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 34; no. 1; pp. 311 - 320
Main Authors 中西 啓介, 岡 美智代, 富田 威
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 2014
公益社団法人 日本看護科学学会
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ISSN0287-5330
2185-8888
DOI10.5630/jans.34.311

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Summary:要旨 目的:植込み型除細動器(ICD)を移植した患者にとって,その後の生活に見通しが立たないことは生活上の困難事のひとつとされているが,実際にどのような生活を送っているかについては不明な点が多い.本研究の目的は,壮年期患者の退院後の生活において,その行動や認識が持つ意味に着目し,ICDとともに生きるプロセスを明らかにすることである. 方法:研究協力者8名に対して半構造化面接を行い,得られた逐語録を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによって分析した. 結果:18の概念で構成される6つのカテゴリー〈関係性構築の必要性に気づく〉,〈他者と再び関係性をつくる〉,〈ICDに対する見方を変える〉,〈自分流のガイドラインづくり〉,〈ICDが日常化する〉,〈改めて気を引き締める〉と,1つのコアカテゴリー【自分と他者および自分とICDとの関係性の構築】が抽出された. 結論:患者は他者やICDとの関係性を構築・再構築する過程を通して,ICDと生活をともにしていくことが明らかになった.
Bibliography:原著
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans.34.311