重度上肢麻痺を呈した回復期脳卒中患者に対して,多角的な上肢機能アプローチ(電気刺激・装具・ロボット療法・CI療法)に加え,手指装具装着下で麻痺手の生活使用を促した一例

要旨:右上肢麻痺を呈した脳卒中者に対して,エビデンスの高い手法を組み合わせた多角的なアプローチに加えて,装具装着下で実生活における麻痺手の使用を促す介入を実施したので報告する.介入は,装具・電気刺激・ロボット療法を併用したCI療法を1日1〜2時間実施した.さらに,筋緊張の抑制・実生活での麻痺手の使用といった異なる目的の装具を作成し,実生活での装着を促した.結果は複数の上肢機能評価において,臨床上意味のある最小変化量を超える改善が見られ,麻痺手使用の機会が増大した.手指の伸展が十分でない脳卒中者に対しても,装具着用下での実生活の麻痺手の使用は麻痺手の使用場面の拡大の一助となる可能性が考えられた....

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Published in作業療法 Vol. 40; no. 4; pp. 535 - 542
Main Authors 堀 翔平, 齋藤 潤也, 花田 恵介, 竹林 崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作業療法士協会 15.08.2021
一般社団法人 日本作業療法士協会
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ISSN0289-4920
2434-4419
DOI10.32178/jotr.40.4_535

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Summary:要旨:右上肢麻痺を呈した脳卒中者に対して,エビデンスの高い手法を組み合わせた多角的なアプローチに加えて,装具装着下で実生活における麻痺手の使用を促す介入を実施したので報告する.介入は,装具・電気刺激・ロボット療法を併用したCI療法を1日1〜2時間実施した.さらに,筋緊張の抑制・実生活での麻痺手の使用といった異なる目的の装具を作成し,実生活での装着を促した.結果は複数の上肢機能評価において,臨床上意味のある最小変化量を超える改善が見られ,麻痺手使用の機会が増大した.手指の伸展が十分でない脳卒中者に対しても,装具着用下での実生活の麻痺手の使用は麻痺手の使用場面の拡大の一助となる可能性が考えられた.
Bibliography:実践報告
ISSN:0289-4920
2434-4419
DOI:10.32178/jotr.40.4_535