倫理的判断を基盤とした抑制についての調査―抑制実施時の倫理的判断と「説明」を重視する看護者の特徴

本研究は、「ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン」の作成を目的としている。その一部として、本稿では、看護者の抑制実施時の倫理的判断と抑制実施時に「説明」を重視する看護者の特徴について述べた。1,260名の看護者対象にアンケート調査を行い、回答の得られた777名を分析対象とした(有効回答率61.7%)。分析の結果、抑制実施時に悪影響を最小限にすることを重視する看護者が多く、抑制中のケアでは、日常生活援助やケア対象者への支援が多かった。「説明」を重視する看護者と重視しない看護者の、責任との関連については、〈悪影響を最小限にする〉〈関係性の破綻を来さない〉責任が、判別...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 64 - 70
Main Authors 池添 志乃, 田井 雅子, 中野 綾美, 川上 理子, 高田 早苗, 横尾 京子, 片田 範子, 野嶋 佐由美
Format Journal Article
Published 日本看護倫理学会 10.02.2011
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究は、「ケア対象者の安全・安楽・尊厳を保証する抑制・身体拘束ケアガイドライン」の作成を目的としている。その一部として、本稿では、看護者の抑制実施時の倫理的判断と抑制実施時に「説明」を重視する看護者の特徴について述べた。1,260名の看護者対象にアンケート調査を行い、回答の得られた777名を分析対象とした(有効回答率61.7%)。分析の結果、抑制実施時に悪影響を最小限にすることを重視する看護者が多く、抑制中のケアでは、日常生活援助やケア対象者への支援が多かった。「説明」を重視する看護者と重視しない看護者の、責任との関連については、〈悪影響を最小限にする〉〈関係性の破綻を来さない〉責任が、判別の要因として抽出された。
Bibliography:短報
ISSN:1883-244X
2434-7361
DOI:10.11477/mf.7001100049