後見人等との連携に関する看護職の自由記述の分析:現状と看護職の意識の検討

本研究の目的は、看護職と後見人等との連携における現状と課題を明らかにすることである。地域包括ケア加算と認知症ケア加算の届け出のある全医療機関1,564ヶ所で高齢者ケアに携わる看護職のアンケートのうち、看護職と後見人等との連携に関する自由記述のあったものを対象とした(n=53)。看護職は【高齢患者の社会的境遇】を実感しており、【後見等の知識ニーズの意識】【後見等に関する高齢者看護のニーズの自覚】【後見等に関する期待】があるが、【後見等への認知・感情】には認知の差と肯定的または否定的な感情があり、【高齢患者の意思決定やACPへの対応】【後見等に関連する実践】にも差が生じていたことが窺えた。後見等の...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 15; no. 1; pp. 62 - 71
Main Authors 岡本 あゆみ, 渡邉 弘美, 米山 あゆみ, 佐野 明子, 高橋 正子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護倫理学会 20.03.2023
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ISSN1883-244X
2434-7361

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Summary:本研究の目的は、看護職と後見人等との連携における現状と課題を明らかにすることである。地域包括ケア加算と認知症ケア加算の届け出のある全医療機関1,564ヶ所で高齢者ケアに携わる看護職のアンケートのうち、看護職と後見人等との連携に関する自由記述のあったものを対象とした(n=53)。看護職は【高齢患者の社会的境遇】を実感しており、【後見等の知識ニーズの意識】【後見等に関する高齢者看護のニーズの自覚】【後見等に関する期待】があるが、【後見等への認知・感情】には認知の差と肯定的または否定的な感情があり、【高齢患者の意思決定やACPへの対応】【後見等に関連する実践】にも差が生じていたことが窺えた。後見等の啓発により、制度を利用する者だけでなく医療の場にも拡がることで、看護職も高齢者本人の望む人生終盤の生活を支える地域包括ケアのチームの一員として機能する可能性を考える。
Bibliography:短報
ISSN:1883-244X
2434-7361