看護部倫理委員会のディスカッション:日本とアメリカの状況

最近、日本では看護部倫理委員会の設置が急速に進んでいる。これは世界的には例外のようで、国際看護師協会2013年大会などの折に外国の参加者に聞き取りをしたところ、看護部独自の倫理委員会をもっている国はなく、どの国も、院内に研究倫理委員会(IRB)と臨床倫理委員会(CEC)が別々にあり、委員は、医師、ナース、MSW、PTなどの多職種で、看護の研究はIRB、看護実践の倫理問題はCECで、それぞれ多職種間で審議されているとのことであった(調査国:ベルギー、オランダ、スペイン、イラン、台湾、韓国、オーストラリア、アメリカ、北欧4国)。こうして見ると、日本の看護部倫理委員会は世界的にはユニークな存在で、今...

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Published in日本看護倫理学会誌 Vol. 6; no. 1; pp. 75 - 77
Main Authors 小西 恵美子, 坂本 明子
Format Journal Article
Published 日本看護倫理学会 2014
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Summary:最近、日本では看護部倫理委員会の設置が急速に進んでいる。これは世界的には例外のようで、国際看護師協会2013年大会などの折に外国の参加者に聞き取りをしたところ、看護部独自の倫理委員会をもっている国はなく、どの国も、院内に研究倫理委員会(IRB)と臨床倫理委員会(CEC)が別々にあり、委員は、医師、ナース、MSW、PTなどの多職種で、看護の研究はIRB、看護実践の倫理問題はCECで、それぞれ多職種間で審議されているとのことであった(調査国:ベルギー、オランダ、スペイン、イラン、台湾、韓国、オーストラリア、アメリカ、北欧4国)。こうして見ると、日本の看護部倫理委員会は世界的にはユニークな存在で、今後の発展が期待される。他方、「なぜ看護だけ別個なのか?」「多忙な看護業務とどう折り合いを?」「研究倫理と臨床倫理の機能の整理は?」などをクリアしていく必要もあるだろう。 本学会第6回年次大会の交流集会(2013年6月8日、鹿児島)で、「アン先生と語ろう看護部倫理委員会:役割は倫理審査? 臨床倫理? その両方?」1を開催した。本稿では、Anne J. Davis先生(以下、アン先生)の講演とQ&Aの概要をお伝えし、臨床看護師である共同企画者がこの集会を振り返る。なお、アン先生はカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)と長野県看護大学の名誉教授で、「世界の看護倫理の母」と称されている。
Bibliography:レター
ISSN:1883-244X
2434-7361
DOI:10.11477/mf.7001100106