スベリヒユ,イヌタデおよびセイヨウタンポポに発生した白絹病(新称)

2012年~2013年に長崎県大村市の山野に自生しているスベリヒユ(2012年6月28日確認),イヌタデ(2013年6月13日確認),セイヨウタンポポ(2013年6月26日確認)の3種の野草が褐変軟腐症状となっているのを確認した。7日後の調査で,それらの植物体は萎凋枯死し,その上に気中菌糸,白色菌糸塊およびナタネ種子大の褐色球形菌核を認めた。それらの褐変した部分からは白絹病様菌の糸状菌が分離され,分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温,菌叢色や菌核の形状,主軸菌糸幅,かすがい連結の有無などがツワブキから分離された白絹病菌と一致した。これらの分離菌は,すべて各宿主植物に対して,病徴を再現し,再...

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Published inKyūshū Byōgaichu Kenkyūkaiho Vol. 62; pp. 72 - 76
Main Author 森田, 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.11.2016
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ISSN0385-6410

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Summary:2012年~2013年に長崎県大村市の山野に自生しているスベリヒユ(2012年6月28日確認),イヌタデ(2013年6月13日確認),セイヨウタンポポ(2013年6月26日確認)の3種の野草が褐変軟腐症状となっているのを確認した。7日後の調査で,それらの植物体は萎凋枯死し,その上に気中菌糸,白色菌糸塊およびナタネ種子大の褐色球形菌核を認めた。それらの褐変した部分からは白絹病様菌の糸状菌が分離され,分離菌は馬鈴薯煎汁寒天培地上での生育適温,菌叢色や菌核の形状,主軸菌糸幅,かすがい連結の有無などがツワブキから分離された白絹病菌と一致した。これらの分離菌は,すべて各宿主植物に対して,病徴を再現し,再分離も可能であった。以上の結果から,軟腐症状を呈した3種の宿主植物から分離された糸状菌は白絹病菌(Sclerotium rolfsii Saccardo)と同定し,スベリヒユ,イヌタデおよびセイヨウタンポポの白絹病(Southern blight)と呼称し,白絹病菌の宿主の追加を提唱する。
Bibliography:903796
ZZ00014779
ISSN:0385-6410