神通川におけるサケ稚魚の降海終期と大きさ

サケ稚魚の降海終期と大きさを1999〜2002年に神通川で調べた。サケ稚魚は河口から5〜6km上流の神通川で4月下旬から6月上旬にかけて投網により採集した。サケ稚魚は5月下旬まで出現したが、6月上旬には採集されなかった。河口付近の神通川の水温は5月下旬までは15℃以下であったが、6月上旬には15℃を超えた。神通川で採集されたサケ稚魚の尾叉長は4.1〜7.5cmであり、河川で尾叉長7.5cm付近に達したサケ稚魚は順次海に降っていくものと考えられた。尾叉長の上限7.5cmは沿岸生活期サケ稚魚の沖合移動可能な体サイズとほぼ同じであった。3月中下旬までとされている現在のサケ稚魚の放流時期は、4月以降の...

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Published in富山県水産試験場研究報告 = Bulletin of Toyama Prefectural Fisheries Experiment Station no. 19; pp. 19 - 28
Main Author 田子, 泰彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.03.2008
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ISSN0915-6542

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Summary:サケ稚魚の降海終期と大きさを1999〜2002年に神通川で調べた。サケ稚魚は河口から5〜6km上流の神通川で4月下旬から6月上旬にかけて投網により採集した。サケ稚魚は5月下旬まで出現したが、6月上旬には採集されなかった。河口付近の神通川の水温は5月下旬までは15℃以下であったが、6月上旬には15℃を超えた。神通川で採集されたサケ稚魚の尾叉長は4.1〜7.5cmであり、河川で尾叉長7.5cm付近に達したサケ稚魚は順次海に降っていくものと考えられた。尾叉長の上限7.5cmは沿岸生活期サケ稚魚の沖合移動可能な体サイズとほぼ同じであった。3月中下旬までとされている現在のサケ稚魚の放流時期は、4月以降のより遅い時期に遅らすことが可能であること、そしてそれはより大きい体サイズでの放流が可能になることから、サケ資源をより効果的に増大させることにつながることが示唆された。
Bibliography:761923
ZZ00013149
ISSN:0915-6542