食品中L-アスコルビン酸およびエリソルビン酸のHPLC定量法およびLC-MS/MS確認法
食品中L-アスコルビン酸(AsA)およびエリソルビン酸(ErA)の分析法はメタリン酸溶液で抽出しHPLCで測定する方法が一般的であるが,夾雑成分の影響を受けて判定に苦慮する事例が多く,保持時間の再現性が悪い等の問題点も多い.そこで,同一試験溶液でHPLCによる定量およびLC-MS/MSによる確認を行うことができる分析法を検討した.試料にキレート繊維を加え,EDTA・二ナトリウム含有酢酸溶液で抽出後,Oasis MCXで精製した溶液をZIC-HILICカラムを用いてHPLCで定量し,LC-MS/MSで確認を行った.8種の食品で添加回収試験を行ったところ,回収率はAsA 91%以上,ErA 88%...
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Published in | Shokuhin eiseigaku zasshi Vol. 59; no. 1; pp. 11 - 17 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本食品衛生学会
25.02.2018
日本食品衛生学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0015-6426 1882-1006 |
DOI | 10.3358/shokueishi.59.11 |
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Summary: | 食品中L-アスコルビン酸(AsA)およびエリソルビン酸(ErA)の分析法はメタリン酸溶液で抽出しHPLCで測定する方法が一般的であるが,夾雑成分の影響を受けて判定に苦慮する事例が多く,保持時間の再現性が悪い等の問題点も多い.そこで,同一試験溶液でHPLCによる定量およびLC-MS/MSによる確認を行うことができる分析法を検討した.試料にキレート繊維を加え,EDTA・二ナトリウム含有酢酸溶液で抽出後,Oasis MCXで精製した溶液をZIC-HILICカラムを用いてHPLCで定量し,LC-MS/MSで確認を行った.8種の食品で添加回収試験を行ったところ,回収率はAsA 91%以上,ErA 88%以上であり,RSDはいずれも5.1%以下であった.また,使用表示のある8種の食品について本法と食品衛生検査指針法で分析し比較したところ,測定値のRSDは本法のほうが小さく,良好な結果であった.さらに,LC-MS/MSでプロダクトイオンスキャンおよび選択反応モニタリングにより測定したところ,いずれの試料からもAsAおよびErAを確認することができた. |
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Bibliography: | ZZ00009680 920983 |
ISSN: | 0015-6426 1882-1006 |
DOI: | 10.3358/shokueishi.59.11 |