食品中の亜硝酸根分析法の改良

「第2版食品中の食品添加物分析法」収載の亜硝酸ナトリウム分析法(2版法)の課題,すなわち,抽出効率,操作性および定量精度を向上した開発法を確立した.開発法はホモジナイズ時の水酸化ナトリウム溶液濃度を高めることで,抽出効率の低かった乾燥食肉製品においても十分な抽出が得られるようにした.操作性の向上では,消泡剤を用いて泡沫を抑えながら吸引ろ過し,固形物を除くことで定容を容易にした.さらに,酢酸亜鉛溶液の添加量不足を原因とする抽出液の濁りは酢酸亜鉛溶液の添加量を増やし,また,でんぷんによる濁りはパンクレアチンを添加することで解消した.水酸化ナトリウム溶液および80~90℃の水を添加した後,直ちにホモ...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 64; no. 1; pp. 21 - 28
Main Authors 山嶋, 裕季子, 貞升, 友紀, 森川, 麻里, 佐々木, 隆宏, 牛山, 慶子, 田原, 正一, 五十嵐, 友希, 小林, 千種
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.02.2023
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.64.21

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Summary:「第2版食品中の食品添加物分析法」収載の亜硝酸ナトリウム分析法(2版法)の課題,すなわち,抽出効率,操作性および定量精度を向上した開発法を確立した.開発法はホモジナイズ時の水酸化ナトリウム溶液濃度を高めることで,抽出効率の低かった乾燥食肉製品においても十分な抽出が得られるようにした.操作性の向上では,消泡剤を用いて泡沫を抑えながら吸引ろ過し,固形物を除くことで定容を容易にした.さらに,酢酸亜鉛溶液の添加量不足を原因とする抽出液の濁りは酢酸亜鉛溶液の添加量を増やし,また,でんぷんによる濁りはパンクレアチンを添加することで解消した.水酸化ナトリウム溶液および80~90℃の水を添加した後,直ちにホモジナイズすることで定量精度が良好になった.また,比色法における抽出液の希釈倍率を見直すことで還元物質による発色の阻害を抑え,2版法より正確な定量値を得ることを可能にした.添加回収試験では回収率78.5~105%,相対標準偏差(RSD) 0.7~5.8%と良好な結果を得た.開発法は亜硝酸根分析の検査精度の向上に寄与できる有用な分析法と考えられた
Bibliography:ZZ00009680
945926
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.64.21