ヒト小腸上皮様細胞株Caco-2におけるビタミンK2のアルカリホスファターゼ活性および遺伝子発現への影響

アルカリホスファターゼ (ALP) はリン酸モノエステルを加水分解する酵素であり, 小腸に局在する小腸型ALPは脂質代謝との関係が示唆されているが, その生理機能は未だ不明な点が多い。本研究では, ヒト結腸癌由来細胞で, 培養後に小腸上皮様細胞に分化するCaco-2細胞を用いて, ビタミンK2の1種であるメナキノン-4 (MK-4) がALP発現へ及ぼす影響について検討を行った。コンフルエント後14日間培養し, Caco-2細胞にMK-4を添加 (MK-4濃度: 0, 1, 10 μM) した結果, MK-4濃度が1または10 μMのALP活性が0 μMと比べて, 有意に高値を示した。さらに,...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 70; no. 3; pp. 101 - 108
Main Authors 野田, 聖子, 山田, 麻子, 中岡, 加奈絵, 五関‐曽根, 正江
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published Tokyo 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 01.01.2017
日本栄養・食糧学会
Japan Science and Technology Agency
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Summary:アルカリホスファターゼ (ALP) はリン酸モノエステルを加水分解する酵素であり, 小腸に局在する小腸型ALPは脂質代謝との関係が示唆されているが, その生理機能は未だ不明な点が多い。本研究では, ヒト結腸癌由来細胞で, 培養後に小腸上皮様細胞に分化するCaco-2細胞を用いて, ビタミンK2の1種であるメナキノン-4 (MK-4) がALP発現へ及ぼす影響について検討を行った。コンフルエント後14日間培養し, Caco-2細胞にMK-4を添加 (MK-4濃度: 0, 1, 10 μM) した結果, MK-4濃度が1または10 μMのALP活性が0 μMと比べて, 有意に高値を示した。さらに, ヒト小腸型ALP遺伝子のmRNA発現量も, MK-4濃度1 μMで0 μMと比較し有意に高値を示した。本研究において, ヒト小腸上皮様細胞でのMK-4による小腸型ALP発現の増強作用について初めて示すことができた。今回の結果は, 小腸型ALP発現調節を介したビタミンK2の新たな生理機能の解明につながることが期待された。
Bibliography:911855
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.70.101