GC-MSおよびGC-FPDを用いた加工食品中混入農薬の迅速分析法の検討

農薬混入による健康被害事例に対応するため,簡易で迅速な分析法について検討を行った.試料に無水硫酸ナトリウムを加え,酢酸エチルで抽出し,ケイソウ土,C18,グラファイトカーボン(GCB)およびPSAの各カラムで精製を行い,GC-MSおよびGC-FPDで測定を行った.主に毒物あるいは劇物に指定されている農薬から選択した57農薬を測定農薬とし,10種類の加工食品(インスタントラーメン,ハクサイキムチ,コンビーフ,ウナギ蒲焼き,乾燥エビ,冷凍ギョウザ,レトルトカレー,ワイン,チーズおよびバター)を対象に添加回収試験を行った.油脂や食品成分の影響により,測定が困難なものもあったが,添加回収率はおおむね7...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 52; no. 4; pp. 226 - 236
Main Authors 富澤, 早苗, 田村, 康宏, 岩越, 景子, 高野, 伊知郎, 小林, 麻紀, 大塚, 健治, 永山, 敏廣, 上條, 恭子, 佐藤, 千鶴子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.08.2011
日本食品衛生学会
Subjects
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.52.226

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Summary:農薬混入による健康被害事例に対応するため,簡易で迅速な分析法について検討を行った.試料に無水硫酸ナトリウムを加え,酢酸エチルで抽出し,ケイソウ土,C18,グラファイトカーボン(GCB)およびPSAの各カラムで精製を行い,GC-MSおよびGC-FPDで測定を行った.主に毒物あるいは劇物に指定されている農薬から選択した57農薬を測定農薬とし,10種類の加工食品(インスタントラーメン,ハクサイキムチ,コンビーフ,ウナギ蒲焼き,乾燥エビ,冷凍ギョウザ,レトルトカレー,ワイン,チーズおよびバター)を対象に添加回収試験を行った.油脂や食品成分の影響により,測定が困難なものもあったが,添加回収率はおおむね70~120%であり,中毒量の農薬が存在するか否かを簡易迅速に判定することが十分可能であった.
Bibliography:ZZ00009680
814305
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.52.226