波長分散型蛍光X線分析装置による果実類および穀類加工品の臭素の簡易分析法

波長分散型蛍光X線分析装置を用いて,生鮮果実,冷凍果実,乾燥果実および穀類加工品中臭素の簡易分析法について検討した.試料 5 g を正確に量り採り,蒸留水で2回抽出した後,25 mL に定容した.その抽出液 0.5 mL を点滴用ろ紙に滴下し乾燥させた後,波長分散型蛍光X線分析装置を用いて測定した.検量線は 0~10 μg/mL の範囲で良好な直線性を示した.試料中の臭素量が 5 μg/g となるように臭化カリウム標準溶液を添加し,回収実験を行ったところ,76~104% の回収率が得られた.検出下限は 0.5 μg/g,定量下限は 1.5 μg/g であった.また,従来法であるGC-ECD法と...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 51; no. 2; pp. 53 - 57
Main Authors 立石, 恭也, 橋本, 常生, 牛山, 慶子, 酒井, 奈穂子, 馬場, 糸子, 永山, 敏廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2010
日本食品衛生学会
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Summary:波長分散型蛍光X線分析装置を用いて,生鮮果実,冷凍果実,乾燥果実および穀類加工品中臭素の簡易分析法について検討した.試料 5 g を正確に量り採り,蒸留水で2回抽出した後,25 mL に定容した.その抽出液 0.5 mL を点滴用ろ紙に滴下し乾燥させた後,波長分散型蛍光X線分析装置を用いて測定した.検量線は 0~10 μg/mL の範囲で良好な直線性を示した.試料中の臭素量が 5 μg/g となるように臭化カリウム標準溶液を添加し,回収実験を行ったところ,76~104% の回収率が得られた.検出下限は 0.5 μg/g,定量下限は 1.5 μg/g であった.また,従来法であるGC-ECD法と分析値を比較した場合,生鮮,冷凍果実および穀類加工品については,同等な測定結果が得られ,また,本法が若干高い値を示した一部の乾燥果実においても,誘導体化前のGC-ECD用の試験溶液についてはほぼ同じ定量値が得られたことから,本法はGC-ECD法の代替法として利用できると考えられた.
Bibliography:791971
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.51.53