市販国産鶏卵のフィプロニルをはじめとする残留農薬の調査

2017年,EU諸国,香港,韓国,台湾などで,殺虫剤フィプロニルの不正使用による鶏卵汚染事件が確認され,大きく報じられた.厚生労働省は,当該国からの輸入品監視強化を実施,また汚染鶏卵の輸入実績はないことを示したが,その一方,日本国内で生産される鶏卵の実態や検出状況についてまとめた報告の提供はなされていない.そこで,本報告では,国内で生産流通される鶏卵50製品について,フィプロニルをはじめとした農薬116成分の残留調査を実施した.その結果,フィプロニルが検出された製品は確認されなかった.45製品で,検査対象農薬が検出される製品は確認されなかった.殺虫剤スピノサドが検出された製品が4製品あった.そ...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 60; no. 5; pp. 154 - 158
Main Authors 八田, 純人, 小田川, 遥平, 泉, 潤, 仲前, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2019
日本食品衛生学会
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Summary:2017年,EU諸国,香港,韓国,台湾などで,殺虫剤フィプロニルの不正使用による鶏卵汚染事件が確認され,大きく報じられた.厚生労働省は,当該国からの輸入品監視強化を実施,また汚染鶏卵の輸入実績はないことを示したが,その一方,日本国内で生産される鶏卵の実態や検出状況についてまとめた報告の提供はなされていない.そこで,本報告では,国内で生産流通される鶏卵50製品について,フィプロニルをはじめとした農薬116成分の残留調査を実施した.その結果,フィプロニルが検出された製品は確認されなかった.45製品で,検査対象農薬が検出される製品は確認されなかった.殺虫剤スピノサドが検出された製品が4製品あった.その濃度は痕跡〜0.019 ppmであった.殺虫剤ジフルベンズロンが0.005 ppm検出された製品が1製品あった.残留基準値を超過する製品は認められなかった.
Bibliography:ZZ00009680
930239
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.60.154