PCR-RFLPによるツキヨタケの迅速判別法

ツキヨタケは,シイタケやヒラタケ,ムキタケと誤認されやすい毒キノコの一種で,日本でのキノコによる食中毒の主要な原因キノコである.本研究では,ツキヨタケを迅速に判別する分子生物学的手法としてPCR-RFLPを用いた判別法を構築した.Sau96I, Bpu10I, SfcI, DrdI/HincIIの4組の制限酵素を用いたPCR-RFLPにより,有毒のツキヨタケと食用キノコのシイタケ,ムキタケ,ヒラタケを明確に判別することに成功した.また,加熱調理や消化によりDNAの一部が断片化した試料でも判別可能な200 bp程度の領域を対象としたShort PCR-RFLPも構築し,リアルタイムPCRによる確...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 58; no. 3; pp. 113 - 123
Main Authors 鈴木, 智宏, 坂田, こずえ, 福田, のぞみ, 中村, 公亮, 近藤, 一成, 菅野, 陽平, 野口, 秋雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.06.2017
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.58.113

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Summary:ツキヨタケは,シイタケやヒラタケ,ムキタケと誤認されやすい毒キノコの一種で,日本でのキノコによる食中毒の主要な原因キノコである.本研究では,ツキヨタケを迅速に判別する分子生物学的手法としてPCR-RFLPを用いた判別法を構築した.Sau96I, Bpu10I, SfcI, DrdI/HincIIの4組の制限酵素を用いたPCR-RFLPにより,有毒のツキヨタケと食用キノコのシイタケ,ムキタケ,ヒラタケを明確に判別することに成功した.また,加熱調理や消化によりDNAの一部が断片化した試料でも判別可能な200 bp程度の領域を対象としたShort PCR-RFLPも構築し,リアルタイムPCRによる確認試験法についても検討した.これらは,ツキヨタケが疑われる食中毒事例の原因究明に有効な検査法として有用と考えられた.
Bibliography:ZZ00009680
912017
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.58.113