食品中放射性物質の分析と検査

「緒言」 食品中の放射性物質が, 平成24年4月より食品衛生法の6条規制から11条規制になり, 新たに規格が設定されたことによって従前にも増して多くの検査が実行されている. また, 検査に使用可能であることを標榜する多くの測定機器も販売されている. 適切な測定機器の選定も含め正しい検査の実行には, 検査の目的を明確に意識し, 放射性物質の特性とその測定原理, 検査における判定等を十分に理解していなければならない. 本稿では, リスクマネージメントの一環として行われる食品中放射性物質検査に関する原理や原則について解説する. 「1. 分析の目的」 分析には, まず, 目的がある. 分析の一分野であ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 54; no. 2; pp. 102 - 110
Main Author 蜂須賀, 暁子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2013
日本食品衛生学会
Online AccessGet full text
ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.54.102

Cover

More Information
Summary:「緒言」 食品中の放射性物質が, 平成24年4月より食品衛生法の6条規制から11条規制になり, 新たに規格が設定されたことによって従前にも増して多くの検査が実行されている. また, 検査に使用可能であることを標榜する多くの測定機器も販売されている. 適切な測定機器の選定も含め正しい検査の実行には, 検査の目的を明確に意識し, 放射性物質の特性とその測定原理, 検査における判定等を十分に理解していなければならない. 本稿では, リスクマネージメントの一環として行われる食品中放射性物質検査に関する原理や原則について解説する. 「1. 分析の目的」 分析には, まず, 目的がある. 分析の一分野である検査にも, 当然, 目的がある. 法規制に基づく検査の目的は極めて明確であり, 法に適合しているか否かである. 東京電力福島第一原子力発電所事故に起因する放射性核種の環境汚染により設定された, 食品中放射性セシウムの検査は, その食品が食品衛生法で定められた規格に適合しているか否かを調べることである.
Bibliography:ZZ00009680
851912
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.54.102