小麦粉および小麦粉調製品中のアゾジカルボンアミドの分析

小麦粉および小麦粉調製品中のアゾジカルボンアミド(ADA)の分析法を,トリフェニルホスフィン(TPP)による誘導体化法を用いて検討した.試料から超音波を用いてアセトンで抽出したのち,室温条件下でADAはTPPにより容易にADA-TPPに誘導体化した.逆相固相抽出を用いて濃縮・精製をした後,HPLCおよびLC-MS/MSで分析を行った.HPLCの測定では,ADAはADA-TPPとして0.1~40μg/mLの範囲で直線性を示し,試料中濃度0.25~100 μg/gの範囲の定量が可能であった.食品へのADAの添加回収試験では,87%以上の回収率が得られた.検出限界は,試料中濃度で0.25 μg/gで...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 57; no. 5; pp. 133 - 138
Main Authors 安井, 明子, 大石, 充男, 早藤, 知恵子, 小林, 千種, 新藤, 哲也, 小沢, 秀樹, 中里, 光男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2016
日本食品衛生学会
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Summary:小麦粉および小麦粉調製品中のアゾジカルボンアミド(ADA)の分析法を,トリフェニルホスフィン(TPP)による誘導体化法を用いて検討した.試料から超音波を用いてアセトンで抽出したのち,室温条件下でADAはTPPにより容易にADA-TPPに誘導体化した.逆相固相抽出を用いて濃縮・精製をした後,HPLCおよびLC-MS/MSで分析を行った.HPLCの測定では,ADAはADA-TPPとして0.1~40μg/mLの範囲で直線性を示し,試料中濃度0.25~100 μg/gの範囲の定量が可能であった.食品へのADAの添加回収試験では,87%以上の回収率が得られた.検出限界は,試料中濃度で0.25 μg/gであった.LC-MS/MSの測定では,[M+H]+ m/z 379をプリカーサーイオンとしてプロダクトイオンスキャンを行ったところ,m/z 379→304, 379→226, 379→183などのイオンにより定性確認が可能であった.
Bibliography:903375
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.57.133