食品として流通する魚の総水銀およびメチル水銀濃度の実態調査

多くの魚にはメチル水銀が含まれるが,濃度は魚種によって異なる.そのため,魚種を選び適量を摂食することが肝要である.本研究では,妥当性を確認した分析法を用い,食品として流通していた19種(計210試料)の魚における総水銀およびメチル水銀濃度の実態を調査した.その結果,大型の捕食魚であるメカジキとクロマグロの一部試料において,総水銀とメチル水銀濃度がともに1 mg/kgを超えることが確認された.天然魚と養殖魚との濃度を比較した結果,クロマグロとブリの両魚種で,養殖魚における濃度がより低かった.魚種によらず,総水銀とメチル水銀濃度との間には正の相関があることが明らかとなり,効率的かつ見逃しのない検査...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 58; no. 2; pp. 80 - 85
Main Authors 松田, りえ子, 手島, 玲子, 林, 智子, 渡邉, 敬浩, 穐山, 浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2017
日本食品衛生学会
Subjects
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.58.80

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Summary:多くの魚にはメチル水銀が含まれるが,濃度は魚種によって異なる.そのため,魚種を選び適量を摂食することが肝要である.本研究では,妥当性を確認した分析法を用い,食品として流通していた19種(計210試料)の魚における総水銀およびメチル水銀濃度の実態を調査した.その結果,大型の捕食魚であるメカジキとクロマグロの一部試料において,総水銀とメチル水銀濃度がともに1 mg/kgを超えることが確認された.天然魚と養殖魚との濃度を比較した結果,クロマグロとブリの両魚種で,養殖魚における濃度がより低かった.魚種によらず,総水銀とメチル水銀濃度との間には正の相関があることが明らかとなり,効率的かつ見逃しのない検査には,0.3 mg/kgを閾値とする,総水銀濃度によるスクリーニングが有効と考えられた.
Bibliography:ZZ00009680
911569
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.58.80