しゅんぎくからのクレゾールリン酸エステル検出原因の解明

残留有機リン系農薬の分析時にしゅんぎく試験溶液のGCクロマトグラム上に未知ピークが検出され,GC/MSによりクレゾールリン酸エステル(TCP)と確認された.TCPは一般的にポリ塩化ビニルの可塑剤として使用されている化学物質であり,食品から検出した報告はなかった.そこで,TCPが検出された原因の検討を行った.その結果,しゅんぎくの包装袋や栽培されているビニルハウスのビニルへのしゅんぎく接触の影響はなかった.しかし,ビニルハウス内にある温度調節用のビニル筒に接触して生育したしゅんぎく20検体を分析したところ,16検体からTCPが平均0.03 μg/g検出された.これらのことから,TCPは温風によっ...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 46; no. 2; pp. 40 - 44
Main Authors 日高, 利夫, 石井, 敬子, 桐ケ谷, 忠司, 高橋, 京子, 長岡, 登, 田中, 康夫, 中澤, 裕之, 細井, 志郎, 河村, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2005
日本食品衛生学会
Subjects
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.46.40

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Summary:残留有機リン系農薬の分析時にしゅんぎく試験溶液のGCクロマトグラム上に未知ピークが検出され,GC/MSによりクレゾールリン酸エステル(TCP)と確認された.TCPは一般的にポリ塩化ビニルの可塑剤として使用されている化学物質であり,食品から検出した報告はなかった.そこで,TCPが検出された原因の検討を行った.その結果,しゅんぎくの包装袋や栽培されているビニルハウスのビニルへのしゅんぎく接触の影響はなかった.しかし,ビニルハウス内にある温度調節用のビニル筒に接触して生育したしゅんぎく20検体を分析したところ,16検体からTCPが平均0.03 μg/g検出された.これらのことから,TCPは温風によって加熱されたためビニル筒からしゅんぎくへ移行したと考えられた.
Bibliography:ZZ00009680
712123
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.46.40