分散固相抽出および多機能カラムを用いたGC-MS/MSによる畜産物中の残留農薬一斉分析法

厚生労働省通知の畜水産物中残留農薬一斉試験法では,精製にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いている.本研究では,より簡便な試験溶液調製法を検討した.抽出溶媒にアセトニトリル–エタノール(1 : 1)混液を用い,冷却遠心分離と分散固相抽出および多機能カラムを組み合わせた精製を行うことで,脂肪を含む夾雑物質のクリーンアップを効率良く行うことができた.これにより,GPCを用いずに,試験溶液の調製を簡便かつ迅速に行うことができた.本法による添加回収試験では,検討した131成分のうち115成分以上の農薬が回収率70~120%,相対標準偏差15%未満であった.定量下限値は,0.001~0.01 μg...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 53; no. 2; pp. 75 - 84
Main Authors 近藤, 貴英, 蕪木, 康郎, 柴田, 雅久, 黒川, 千恵子, 井上, 豊, 山本, 善彦, 宮崎, 元伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2012
日本食品衛生学会
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Summary:厚生労働省通知の畜水産物中残留農薬一斉試験法では,精製にゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いている.本研究では,より簡便な試験溶液調製法を検討した.抽出溶媒にアセトニトリル–エタノール(1 : 1)混液を用い,冷却遠心分離と分散固相抽出および多機能カラムを組み合わせた精製を行うことで,脂肪を含む夾雑物質のクリーンアップを効率良く行うことができた.これにより,GPCを用いずに,試験溶液の調製を簡便かつ迅速に行うことができた.本法による添加回収試験では,検討した131成分のうち115成分以上の農薬が回収率70~120%,相対標準偏差15%未満であった.定量下限値は,0.001~0.01 μg/gの範囲で設定可能であった.
Bibliography:ZZ00009680
832248
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.75