糖質米「あゆのひかり」のヒト食後血糖値およびインスリン分泌に及ぼす影響

糖質米のあゆのひかりは, 難消化性構造を持ち, 他の品種米よりも消化され難い。本研究では, あゆのひかりのヒトにおける食後血糖値およびインスリン分泌に及ぼす影響について検討することを目的として, 普及米であるコシヒカリと比較した。健常成人男性8名 (平均年齢: 39.0±1.7歳, body mass index (BMI) : 23.3±0.6 kg/m2, 空腹時血糖値: 96.4±2.1 mg/dL) を対象に, 無作為化単盲検交叉比較試験を実施した。糖質として55 gを含むあゆのひかりまたはコシヒカリの炊飯米を摂取し, 240分までの血糖値とインスリン濃度を観察した。あゆのひかり摂取時...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 64; no. 4; pp. 239 - 243
Main Authors 新井, 陽一, 白幡, 登, 深澤, 純一, 土田, 真由子, 中島, 義信, 中浦, 嘉子, 堀端, 哲也, 井ノ内, 直良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2011
日本栄養・食糧学会
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Summary:糖質米のあゆのひかりは, 難消化性構造を持ち, 他の品種米よりも消化され難い。本研究では, あゆのひかりのヒトにおける食後血糖値およびインスリン分泌に及ぼす影響について検討することを目的として, 普及米であるコシヒカリと比較した。健常成人男性8名 (平均年齢: 39.0±1.7歳, body mass index (BMI) : 23.3±0.6 kg/m2, 空腹時血糖値: 96.4±2.1 mg/dL) を対象に, 無作為化単盲検交叉比較試験を実施した。糖質として55 gを含むあゆのひかりまたはコシヒカリの炊飯米を摂取し, 240分までの血糖値とインスリン濃度を観察した。あゆのひかり摂取時の240分までの血糖IAUC (incremental area under the curve of blood glucose concentration) は, コシヒカリ摂取時に対し17.5%低い傾向を示した (p=0.07) 。また240分までのインスリンIAUCでは, コシヒカリ摂取時に対し41.3%低い値を示した (p<0.01) 。以上の結果より, あゆのひかりは, 糖尿病の一次予防として有用な米品種であることが示唆された。
Bibliography:813765
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.64.239