栄養・食糧科学における臨床研究・疫学研究の倫理

臨床研究・疫学研究に代表される人間を対象にした研究は, ヘルシンキ宣言, 臨床研究に関する倫理指針, 疫学研究に関する倫理指針に従って行われなければならない。これらの倫理指針の重要な役割は, 対象者の福祉を最大にしつつ, 研究成果の社会還元を推進することである。本論文では, 倫理指針に記載されている研究者の責任のうち, 特に重要な以下の三つについて解説する。 (1) 研究計画書に, 倫理的観点からの必須事項 (被験者の選定方針, 研究の意義, 目的, 方法, 研究終了後の対応, 個人情報の保護, インフォームド・コンセント, 利益相反, 健康被害に対する措置, 試料等の保存など) について記載...

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Bibliographic Details
Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 64; no. 5; pp. 291 - 295
Main Author 田中, 司朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2011
日本栄養・食糧学会
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.64.291

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Summary:臨床研究・疫学研究に代表される人間を対象にした研究は, ヘルシンキ宣言, 臨床研究に関する倫理指針, 疫学研究に関する倫理指針に従って行われなければならない。これらの倫理指針の重要な役割は, 対象者の福祉を最大にしつつ, 研究成果の社会還元を推進することである。本論文では, 倫理指針に記載されている研究者の責任のうち, 特に重要な以下の三つについて解説する。 (1) 研究計画書に, 倫理的観点からの必須事項 (被験者の選定方針, 研究の意義, 目的, 方法, 研究終了後の対応, 個人情報の保護, インフォームド・コンセント, 利益相反, 健康被害に対する措置, 試料等の保存など) について記載する。 (2) 研究者は, 所属機関の利益相反ポリシーや規定に従って, 経済的な利益関係を利益相反委員会に報告し, 研究計画の審査を受けなければなければならない。 (3) 臨床試験を実施する場合は, 被験者登録以前に, 公的なオンラインデータベースに登録を行う。
Bibliography:815005
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.64.291