ラットにおけるビタミンK1またはビタミンK2経口投与によるアルカリホスファターゼ活性への影響

アルカリホスファターゼ (ALP) は, リン酸エステルを無機リン酸とアルコールに加水分解する酵素である。小腸型ALP活性は脂質の投与により上昇することが知られているが, 生理的機能については不明な点が多い。そこで今回, ビタミンK1 (PK) またはビタミンK2 (MK-4) 経口投与によるALP活性への影響について検討を行った。7週齢のSD系雄ラット56匹について, PKを経口投与したPK群, MK-4を経口投与したMK群とし, 投与前, 投与後1.5, 3.0, 4.5時間後に小腸, 肝臓, 腎臓のサンプルを採取した。その結果, PK群またはMK群において, 十二指腸および回腸上部のAL...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 68; no. 5; pp. 217 - 223
Main Authors 祓川, 摩有, 五関‒曽根, 正江, 曽我部, 夏子, 田辺, 里枝子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2015
日本栄養・食糧学会
Subjects
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ISSN0287-3516
1883-2849
DOI10.4327/jsnfs.68.217

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Summary:アルカリホスファターゼ (ALP) は, リン酸エステルを無機リン酸とアルコールに加水分解する酵素である。小腸型ALP活性は脂質の投与により上昇することが知られているが, 生理的機能については不明な点が多い。そこで今回, ビタミンK1 (PK) またはビタミンK2 (MK-4) 経口投与によるALP活性への影響について検討を行った。7週齢のSD系雄ラット56匹について, PKを経口投与したPK群, MK-4を経口投与したMK群とし, 投与前, 投与後1.5, 3.0, 4.5時間後に小腸, 肝臓, 腎臓のサンプルを採取した。その結果, PK群またはMK群において, 十二指腸および回腸上部のALP比活性が投与前に比べて有意に高値を示した。一方, 肝臓や腎臓では, ビタミンK経口投与によるALP活性への影響は認められなかった。以上の結果から, PKまたはMK-4の経口投与により, 小腸のALP活性が増強されることが明らかになった。
Bibliography:900047
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.68.217