健康教室における嗜好品摂取に注目した食習慣指導の取り組みについて

我が国の現状では65歳以上の低栄養傾向者の増加の抑制が課題となっており1),20歳以上の摂取エネルギー量2)は70代女性を除いて,推定エネルギー必要量(身体活動レベルⅡ)3)よりも下回っている現状である。必要なエネルギー量を満たすと同時に必要な栄養素量を満たすためには嗜好品の摂取量を適量に近づける必要があると考え,当課で行なっている介護予防を目的とした長期支援型の健康教室では嗜好品摂取量に着目した食習慣指導を中心に食事指導を実施している。  嗜好品過剰者には嗜好品適正化の指導を,嗜好品適量者には食事バランス適正化の指導を行なった結果,嗜好品過剰者においては嗜好品摂取量が減少しただけでなく食事バ...

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Published inNihon Nōson Igakkai zasshi Vol. 69; no. 1; pp. 57 - 65
Main Authors 山野, 佳子, 梶田, 奈々子, 幡野, 真妃, 天野, 早紀, 千坂, こずえ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2020
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.69.57

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Summary:我が国の現状では65歳以上の低栄養傾向者の増加の抑制が課題となっており1),20歳以上の摂取エネルギー量2)は70代女性を除いて,推定エネルギー必要量(身体活動レベルⅡ)3)よりも下回っている現状である。必要なエネルギー量を満たすと同時に必要な栄養素量を満たすためには嗜好品の摂取量を適量に近づける必要があると考え,当課で行なっている介護予防を目的とした長期支援型の健康教室では嗜好品摂取量に着目した食習慣指導を中心に食事指導を実施している。  嗜好品過剰者には嗜好品適正化の指導を,嗜好品適量者には食事バランス適正化の指導を行なった結果,嗜好品過剰者においては嗜好品摂取量が減少しただけでなく食事バランスや栄養素摂取量の改善も見られた。嗜好品適量者においては嗜好品の摂取量が増加する結果となった。  嗜好品過剰者への介入が適切であることが分かったと同時に,嗜好品適量・過剰に関わらず嗜好品摂取量適正化・維持の指導の必要性が示唆された。
Bibliography:ZZ00011651
935174
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.69.57